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不偏性と一致性
母数$\theta$を推定するために標本$X_1,X_2,\cdots X_n$から作られる推定量$T=T(X_1, X_2, \cdots , X_n)$について,理想的な性質として次のようなものがあげられる.
一致性…任意の$\varepsilon>0$に対して,$ \displaystyle \lim_{n\to\infty}P\left(|T-\theta|<\varepsilon\right)=1$
不偏性…$E(T)=\theta$
標本平均$\overline{X}$は$\mu$の一致推定量(大数の法則),かつ不偏推定量である(ただし,一致性については母分散$\sigma^2$が存在していることが前提).
また,母分散$\sigma^2$の推定量として,標本分散$ \displaystyle S^2=\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}(X_i-\overline{X})^2$が思いつくが,\( \displaystyle E(S^2)=\frac{n-1}{n}\sigma^2\)となることが知られており,不偏性をもつ推定量とならない.そこで,$\sigma^2$の推定量としては通常
不偏分散$ \displaystyle U^2=\frac{1}{n-1}\sum_{i=1}^{n}(X_i-\overline{X})^2$
が用いられる(標本不偏分散とも).
標準誤差
推定量$T$について,$V(T)$の推定量の平方根を標準誤差という.標準誤差は推定量のばらつきを表す.
(例)標本平均$\displaystyle \overline{X}=\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}X_i$について,\( \displaystyle V(\overline{X})=\frac{\sigma^2}{n} \)となる.よって$\displaystyle \overline{X}$の標準誤差は$ \displaystyle \frac{u^2}{n}$の平方根,すなわち\( \displaystyle \sqrt{\frac{u^2}{n}} \)となる.
分散が有限で独立に同一分布に従う確率変数$X_1, X_2, \cdots, X_n$から作られる推定量について,次の中から正しいものをすべて選べ.
①標本平均$\displaystyle \overline{X}=\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}X_i$は母平均$\mu$の一致推定量かつ不偏推定量である.
②最初の2つの確率変数の平均$\displaystyle \frac{X_1+X_2}{2}$は母平均$\mu$の不偏推定量である.
③$ \displaystyle \frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}(X_i-\overline{X})^2$は母分散$\ \sigma^2$の不偏推定量である.
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