原因の確率の整理方法例

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1つのモノ(人)を選ぶ条件付き確率において,問題設定を1枚の正方形に整理すると解きやすい場合がある.

(例)集団Aは5%の人が病気にかかっている.病気Xを診断する検査で,病気Xにかかっている人が正しく陽性と判断される確率は80%,病気Xにかかっていない人が誤って陽性と判断される確率は10%であるとする.すなわち

とする.集団Aのある人がこの検査を受けたとき,次の確率を求めよ.

(1) その人が陽性と判定される確率 

(2) 陽性と判定されたとき,その人が病気Xにかかっている確率

(解)

(1)正方形の1辺を1とし,L字部分の面積を求めればよい.

(2) L字部分の面積に占める①の面積割合を求めればよい.

 

製品Xを工場A,Bで製造しているが,それぞれ3%,4%の割合で不良品が発生するものとする.ある電気店は製品Xについて,工場Aから80%,工場Bから20%の割合で仕入れをしている.

(1) 電気店に仕入れされた製品Xをランダムに1つ選ぶとき,これが工場Bから製造された不良品である確率を求めよ.

(2) 電気店に仕入れされた製品Xをランダムに1つ選んだところ,不良品であった.このとき,この製品が工場Bで製造されたものである確率を求めよ.

解答はこちら

(1)上図で1辺を1として②の面積を求めればよい.

$$0.2\times0.04=0.008$$

(2) 上図で(①と②の面積)に対する②の面積の割合を求めればよい.

$$ \frac{0.2\times 0.04}{0.8\times0.03+0.2\times 0.04}= \frac{0.008}{0.032}=0.25$$

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